8 おわりに
 授業について多くの教官が集まってこれほどに議論を重ねて授業を作り上げる機会ができたことは、本来の教科授業や教育実習生指導、さらには学校運営にさえ何らかのよい影響を与え得るように思われる。もはや個人の力では成立できない、多岐にわたる情報教育が、必要に迫られて校内の協力体制や情報交換の場を生み出し、学校教育の現場に新鮮な活力を生み出すかも知れない。
 この協力体制をさらに拡張すれば、大学や地域社会、保護者などとの連携も生まれてくるであろう。附属学校の特長を生かす意味で、大学や他の附属小中学校等との連携をはかった研究もめざしてはいたが、今回の研究では具体的なものとならず、今後の課題として残っている。
 情報の授業実践研究は、始まったばかりである。ハード、ソフト、人的環境、予算措置、各種支援体制、情報交換体制など研究を深めねばならない内容は限りなく残されている。来年度は、今年度の実践を活かして、2003年の指導要領実施において全国の高等学校が情報の授業を実施するための実用的な研究を深めたい。