1995年から続くMacOSを利用した情報教育
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東京学芸大学附属高等学校では、2004年8月からXserveとMac OS X ServerによるNetBootとオープンディレクトリを中核に、情報教育端末としてiMacとeMac、iBookG4、MacBookを採用しています。約1200名のアカウントを集中管理するXserve、校内の情報共有に役立つAirMacネットワーク、あらゆる教科で利用されるAppleShareServer。校内いたるところで情報機器を活用できる環境が整っています。 ■教科「情報A」を基盤としてあらゆる科目での利用東京学芸大学附属高等学校では1年次に学習する教科「情報A」を基盤としてあらゆる教科・科目、課外活動でコンピュータおよびコンピュータネットワークの活用を行っています。教科「情報A」では基礎的なリテラシー、コンピュータの仕組みなどだけではなく、ネットワークの向こう側にも”人”がいることを意識できる人間の育成を心がけ、Communication&Collaborationを基礎とした情報教育を行っています。
2年次以降は、各教科、総合学習、課外活動などあらゆる場面でコンピュータネットワークが活用されます。
「コンピュータの使い方で困る」のではなく、「どう自己表現するかで困る」生徒であって欲しいと願っています。
■生徒用コンピュータの配置本校では教員、生徒を問わずコンピュータおよびネットワークが文房具のようにごく自然に日常生活に取り込まれ利用されています。この取り組みを支えているのが、3台のXserveとMac OS X Serverで構築された基幹システムです。このシステムを基盤に、現在は視聴覚教室では51台のiMacG5とeMacが、コンピュータ室では28台のIntel iMac、20台のMacBookが稼働しています。この他にも可動式ラックに納められた45台のiBookG4を一斉授業で利用することが可能です。図書室、進路資料室、各HR教室など、校内には200台近い生徒用端末が用意されています。
■MacintoshとWindowsの共存も可能情報科では、「Macが使えるようになった」「Windowsが使えるようになった」という小さな目標で 終わって欲しいとは願っていません。幅広くコンピュータに関する知見を深め、活用して欲しいと願っています。 しかしながら現実は「○○のソフトはWindowsでは動かない」などということが少なからずあります。そんなときも Intel製CPUを搭載したコンピュータならば心配いりません。BootCampやParallelDesktopというソフトウェアを 利用すればMac OSとWindowsOSを共存させることが可能です。
■コンピュータ室の整備高等学校では2004年度より教科「情報」が2単位設置されました。本校でも1999年度より学校設置科目として1単位 で情報の授業を行ってきましたが、必修化に伴い2単位となり情報教育用教室の稼働率が上がり、他の教科にとっては 使いにくい状況になっていました。
これまでコンピュータ室ではiMacG3等をMac OS9で運用していましたが、2007年3月これらをIntel iMacと
MacBookにリプレイスを行い、情報以外の教科でも利用しやすくしました。iMacは壁際に配置し指導者から
画面が見えるような配置になっています。
また、中央の机は普段はコンピュータを配置せず、グループ活動などの際に利用できます。必要に応じてラックに
納められたMacBookを持ち出しAirMacネットワークに接続すれば、すぐにインターネットに接続して情報を検索
することも可能になっています。
■コンピュータ室の活用コンピュータ室でもParallelDesktopを利用してMacintoshとWindowsの共存が可能となっています。 Windowsで作成されたデータも文字化けやレイアウトの崩れなく利用できます。 発表学習が増える時期には重宝される部屋になるでしょう。
■1995〜(附属高校の情報教育:創成期)本校のAppleComputerとの接点は今から12年前の1995年までさかのぼります。当時ネットワークに標準で 対応できるパーソナルコンピュータがMacintoshでした。教育工学委員会(本校のネットワークを管理・維持する 校内組織)メンバーによる手作りのネットワーク構築。天井裏にまではい上がりLANケーブルを敷設しました。 当時のコンピュータ室はLANケーブルが天井から配線され、可視的Webを体感することができました。
■1999〜(附属高校の情報教育:第2期)1999年(平成11年度)より学校設置科目として情報が1年次1単位で設置されました。 導入されたばかりのカラフルなiMacG3は24台(2000年以降1人1台の環境に)でした。当時より生徒一人一人には ホームディレクトリが割り当てられ、電子メールの読み書きや授業課題を一時的に保存しておく領域として 利用されていました。先行的な取り組みは学会や研究会等で多く発表されました。マルチメディアを活用した プレゼンテーションや、HTMLによるWebページの作成、表計算、情報社会と情報モラル、グループ活動による 「情報の授業を作ろう」などは現在の情報教育にも通用する内容となっています。また情報の授業は教育工学委員会 の教員によるTT(ティーム・ティーチング)と学生のTA(ティーチング・アシスタント)による複数体制で行われていました。 当時、生徒用ホームディレクトリはSunMicrosystemsのSolaris上でnetatalkを利用して実現されました。
■2004〜(附属高校の情報教育:第3期)2003年度から教科「情報」が2単位で必修となり視聴覚室の稼働率が高まりました。同時にコンピュータのトラブル、ネットワーク機器の 故障が増え、2004年度(平成16年度)にはXServeの導入とクライアントのMac OSX化という大きな変化がありました。オープン ディレクトリの導入により、ユーザ資源(アカウント、メール、ホームディレクトリ等)の一元化が容易になったほか、クライアント との親和性が高いこと、マルチユーザを考えたOSのため、システムファイルが意図的に壊されることがなくコンピュータの稼働率が 上がったことにより、生徒にも管理者(=教員)にもやさしいネットワークシステムが完成したと言えます。また東京大学でも採用されたNetBootを利用することにより200台近い生徒用端末を容易に管理できるようになりました。 またこれまでのMac OS9からMac OSX v10.3 Pantherに更新したことで、本校の情報教育の内容にも変化が現れ始めました。 1年間の「情報」授業の集大成、総合制作として「15秒学校紹介CM制作」に2004年度から取り組んでいます。最後の授業では「附高CM大賞」と称して提出された全作品の発表・批評会を行っています。プロのCMクリエイターにもコメントをもらいます。このCM作品は iLifeを利用して作成されています。
■2011〜(附属高校の情報教育:第4期)
2011年度は情報教育環境に大きな変化がありました。 システム的にも大きな変更がありました。ネットワークの上位にはUTM(統合脅威管理)を導入し、安全なネットワークの構築、 gakugei-hs.setagaya.tokyo.jpドメインの移行、メールシステムの移行により、これまでより安定した運用が可能になりました。
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