古典の授業で育てたい力

【古典(Classics)】

 古典の授業は、古文と漢文を扱います。1年生では、「国語総合」4単位の中の2単位、2年生では「古典B」3単位を古典分野として扱います。3年生の古典は選択科目になり、主に文系対象の「古典講読」(古文3単位・漢文1単位)と、主に理系対象の「古典」(古文1単位・漢文1単位)に分かれて学びます。内容としては、古文では古典文法の基礎から始めて古文解釈力を身につけます。説話文学、歌物語、和歌、歴史物語などを学び、『源氏物語』・『枕草子』などの詳細な読解や鑑賞まで高めていきます。漢文では、漢文訓読と解釈のための構造や句法の基礎から始め、平易な故事の文章・中国の思想・歴史書・文学作品・評論など、幅広いジャンルを学びます。これら古典の学習の終着点は大学受験にあるのではなく、その先の言語生活を生涯豊かなものにし、良質の教養と言語感覚を身につけることを通して、日本文化への理解を深め、新たな文化を創造していく源泉となるところにあります。古典の学習は、グローバル化した今の世界に羽ばたいていくうえで、ぜひとも必要な力を与えてくれるのです。

授 業

 本校の古典は現代文と同様に、共通で扱う教材はいくつかあるものの、授業は各教員がそれぞれのやり方で実施します。国語科という教科の特性上、教員が異なればアプローチの仕方も異なりますので、学年全員に同じ範囲で共通の考査問題を課することには馴染まないと考えています。そのため、以下の教材はあくまでも一例です。

<1年次>

 『今昔物語集』『徒然草』『伊勢物語』『土佐日記』『平家物語』『奥の細道』など(古文)
 「漢文入門」「故事成語」「唐詩」「思想(『論語』等)」など(漢文)


<2年次>

『宇治拾遺物語』『枕草子』『方丈記』『大鏡』『更級日記』『源氏物語』など(古文)
「逸話」「史伝(『史記』)」「漢詩(唐詩・古体詩)」「思想(『孟子』等)」など(漢文)


<3年次>

『源氏物語』『大鏡』『枕草子』『蜻蛉日記』『古事記』など(古文)
『長恨歌』『史記』「思想」「志怪小説」など(漢文)

よくある質問

Q、古語辞典や漢和辞典は必要ですか?
A、必要です。古語辞典はもちろん、漢和辞典は小・中学生向けの「漢字辞典」とは違いますので、気をつけてください。古語辞典にはいろいろありますが、書名の一部に「全訳」と書いてあるもの(例文が現代語訳されています)が使いやすいと思います。現代文と同様、ぜひ紙の辞書を使う習慣をつけてほしいと思います。

Q、参考書や問題集は何がいいですか?
A、学校では多くの副教材を採用しています。その中には調べるためのものもあれば、問題集もあります。ですから、特に持つ必要はありません。それより、辞書や副教材をフル活用して、予習の段階で教科書の原文を出来うる限り読解・解釈し、復習では暗唱してしまうくらいまで何回も繰り返し詠み込んでください。学校の副教材も合わせてこれを3年間継続すれば、難関大学入試まで十分に通用します。

Q、教科書ガイドは使ってもいいですか?
A、復習に使う分にはかまいません。しかし、予習の時に自分で訳さずガイドを丸写しするような使い方は逆効果です(ウェブサイト上に出回っている古典の訳文も同様です)。使うなら、自分で訳したあとでその確認のために使ってください。
Q、塾へは行った方がいいでしょうか?
A、特に必要ありません。現代文と同様、本校の授業では表面的な問題の解法を越えた、本質の追究を行っていきます。これに常に本気で取り組んでいれば、塾に行く以上の力がつきます。それに本校の副教材をこなしきることで十分です。不明点は、担当教員に積極的に質問してください。