現代文の授業で育てたい力

【現代文(Contemporary Japanese Language)】

 現代文の授業は、1年次は「国語総合」4単位中の2単位、および2年次・3年次は「現代文B」を2単位ずつ計4単位を、全員必修で履修します。内容としては、近現代の文章を読解し、筆者・作者の思想や意見に考察を加えます。文学的作品においては、表現の味読や鑑賞も行います。また、読んだことに関する自分の意見を発表し他者の考えを傾聴する能力をも養います。読書はもちろん、新聞の論説を読むことや、問題演習を取り入れる場合などもあります。本校の現代文では、単なる読解に止まらず、質の高い思索や言語活用能力が要求されます。このような力を、学年段階に応じて次第に高度なものへと高めていきます。

 また、平成27年度からは、1年生を対象に「現代文Ⅰ」という1単位科目を、「国語総合」の中の2単位とは別に特設しました。これは本校がスーパー・サイエンス・ハイスクールに指定されていることに鑑み、文系・理系を問わずあらゆる分野で要求される「探求活動」を念頭に、「書くこと」を中心に「表現力」を体系的に養成していく授業です。この授業で培われる能力は、高校在学中に止まらず、進学後も社会に出てからも極めて有用な力として働くはずです。

授 業

 本校の現代文は、共通で扱う教材はいくつかあるものの、授業は各教員がそれぞれのやり方で実施します。国語科という教科の特性上、教員が異なればアプローチの仕方も異なりますので、学年全員に同じ範囲で共通の考査問題を課することには馴染まないと考えています。年度によっても異なります。そのため、以下の教材はあくまでも一例です。

<1年次>

 「水の東西」「語と意味」「『間』の感覚」「『共生』の本質」など(評論)
 「羅生門」「夢十夜」「城の崎にて」「甃のうへ」「I was born」短歌・俳句など(文学)


<2年次>

 「ミロのヴィーナス」「ホンモノのおカネの作り方」「『である』ことと『する』こと」など(評論)
 「山月記」「こころ」「樹下の二人」「永訣の朝」短歌・俳句など(文学)


<3年次>

 「居住空間における日本的なもの」「無常ということ」「姿―日本のレトリック」など(評論)
 「檸檬」「舞姫」「赤い繭」「小諸なる古城のほとり」「のちのおもひに」など(文学)

よくある質問

Q、国語辞典はどのようなものが良いですか?
A、小・中学生向けのものでなければ、何でも良いでしょう。最近は電子辞書を使う人も多いのですが、ぜひ紙の辞書を使う習慣をつけてほしいと思います。

Q、参考書や問題集は何がいいですか?
A、良い参考書・問題集はたくさんありますが、特に1年生のうちは特に持つ必要はないでしょう。それより、良質の本を多く読み、また、新聞に掲載されている論説などを読んで、それらについて考察することをお勧めします。各種推薦書は学校図書館に取り揃えてあります。参考書・問題集がほしい場合は、担当教員に相談してください。

Q、現代文は勉強の仕方がよくわからないので、塾へ行った方がいいでしょうか?
A、特に必要ありません。本校の授業では表面的な問題の解法を越えた、深い部分の追究を行います。これにつねに真剣に取り組んでいれば、塾に行く以上の力がつきます。2年の秋以降、大学受験の準備としてであれば、参考書・問題集でお勧めできるものを授業と合わせて解き進めていくことで十分です。